不動産を売却する時はほとんどの場合、不動産会社と媒介契約を結んで広報・宣伝活動や内覧の対応などをしてもらうことになります。
このとき、依頼する不動産会社によっては売却価格に大きく差が出ることもあります。
では、どのような不動産会社を選べば不動産を高額でなおかつスムーズに売却することができるのでしょうか。
ここでは、大手不動産会社を中心に不動産会社を選ぶ際に注意点などについて解説していきます。
自分に合った不動産会社を選ぶ方法
不動産売却の媒介契約を結ぶ不動産会社を選ぶ際に見るべき一番のポイントは、自分が売却を希望する種類の不動産の売却実績が豊富かどうかという点です。
不動産会社にはそれぞれ得意分野があるため、所有している不動産の売却を得意としている不動産会社と仲介契約を結ぶことで、高額かつスムーズに不動産を売却できる可能性が高くなります。
また、売却を希望する不動産の近くにその不動産会社の店舗があることや、担当者が売り主の利益を優先し密に連絡を取ってくれるか、インターネット十分に活用して広告を行っているかという点についてもチェックすることで、自分に合った不動産会社を選ぶことができるでしょう。
大手不動産会社の特徴
大手不動産会社の特徴は、営業エリアが広いため広範囲に及ぶ広告活動を行うことができ、近隣地域以外からも買い主を見つけることができるという点です。
JターンやIターンなどの田舎暮らしが注目されている現代では、この広範囲に及ぶ広告活動は非常に大きな武器になると言えるでしょう。
またその宣伝能力は非常に高いため、売却活動を始めてから早い時点で売却を決めることができる可能性が高くなります。
また顧客数も多いため、買い主を見つけやすいという特徴もあります。
大手不動産会社のメリットとデメリット
大手不動産会社を選ぶということには、メリットとデメリットがあります。
ここでは、そのメリットとデメリットについて解説していきます。
(1)メリット
大手不動産会社を選ぶメリットには、以下のようなものがあります。
①ブランド力がある
大手不動産会社を選ぶメリットは、大きなブランド力を持つということです。
このブランド力があると、顧客が安心感を持って不動産を購入できます。
売り主にとっても安心感が高いことはもちろんですが、購入する側から見ても大手不動産会社が取り扱っている不動産であれば安心だと考える方も多いでしょう。
大手不動産会社が仲介を行うことで、「大手の不動産会社が保証しているのであれば安心」という印象を買い手に与えることができるようになります。
②大々的に広告してくれる
大手不動産会社の特徴の章でも紹介しましたが、大手不動産会社は圧倒的な広さのネットワークを持っています。
不動産の売却時には、ポータルサイトへの広告掲載や担当者が営業活動を行うことで、時間をかけて買い手を探すことになりますが、高い知名度を持ち多くの顧客を抱える大手不動産会社であれば、より短い期間で売却を希望する不動産の情報を広げることができます。
また大手不動産会社は日本全国に店舗を構えていて、それぞれの地域の店舗の間で連携をとることができます。
そのため、他県へ引っ越すために不動産の購入を希望している方に対しても、現在住んでいる場所の近くにある店舗から引っ越し先周辺の不動産の情報を得ることができます。
このようなネットワークの広さから、不動産の売り手と買い手をより早くマッチングすることが可能になります。
(2)デメリット
大手不動産会社を選ぶデメリットには、以下のようなものがあります。
①担当の態度がドライに感じることもある
大手不動産会社の従業員は、売り主にもマニュアルに沿った対応を行います。
その理由は店舗ごとの対応を同じにすることと、すべての店舗で同じサービスを提供することができるようにするためです。
そのため、臨機応変な対応が難しいケースや要望を出した際に担当者に決定権がないため、返信に時間がかかることもあります。
このような対応をされると、「この担当者は自分に親身になってくれない」という印象を持ってしまう可能性もあります。
②両手仲介にこだわることもあるため売り主が損をすることもある
両手仲介とは、簡単に言ってしまえば買い主と売り主の両方から仲介料をもらうことです。
この両手仲介を行うと、不動産会社が得る利益は二倍になります。
一方、買い主と売り主のどちらかからしか仲介料をもらわないことを片手仲介といいます。
仲介料は、不動産の売却価格に応じて決まります。
片手仲介を行った場合、高額で不動産を売却しても仲介料は売り主と買い主のどちらかしかもらうことができないため、不動産会社はなるべく高額で不動産を売却しようと努力してくれます。
しかし両手仲介の場合には、多少不動産の価格を下げて売買を行っても売り主と買い主の両方から仲介料をもらうことができるため、不動産の価格を安易に下げてしまうことがあり、売り主が損をしてしまうことがあります。
そのため、両手仲介にこだわらずに買い主を探してくれる不動産会社を選ぶ必要があります。
不動産会社を選ぶ際にチェックすべき点
ここでは、不動産会社を選ぶ際にチェックすべき点について解説していきます。
(1)不動産売却の実績や評判
不動産会社を選ぶ際には、不動産売買の実績が多い会社を選ぶようにしましょう。
多くの実績を積んだ不動産会社であれば、広告活動も適切に行うことができ、独自の販売ルートを持っていることも多いからです。
またこのような不動産会社の場合には、売り主と買い主の双方に適切な対応をとることができる可能性が非常に高くなります。
(2)地域性の理解度
適切な売却価格の設定や販売活動を行うためには、その不動産がある地域の特徴などを良く知っておく必要があります。
そのため、地域性への深い理解がある不動産会社を選ぶようにしましょう。
(3)広告・販売活動の内容
どのような広告・販売活動で売却を希望する不動産をアピールするかも、非常に重要なポイントになります。
近年では販売活動をインターネットで行うことが多いため、不動産会社は必ずしも売却を希望する不動産の近くに店舗がある必要はありません。
ただし、あまりに不動産がある地域から遠い場所にある不動産会社の場合、地域性への理解度が低い可能性が高くなるため、査定額に影響を及ぼすこともあり注意が必要です。
(4)売り手に物件のマイナス面も説明しているか
売却を希望している不動産について説明する際に、プラスの面ばかりを強調する不動産会社は要注意です。
売買が成立した後に、トラブルになる可能性があるためです。
不動産のマイナス面についてもしっかりと説明を行ってくれる不動産会社を選びましょう。
(5)連絡や対応にスピード感があるか
不動産会社の担当者に連絡を取ろうとしてもなかなか返事や返信がもらえないと、売り主も販売活動の進捗状況をリアルタイムで知ることが難しくなってしまいます。
このように対応が遅い不動産会社は熱心に販売活動を行っていない可能性もあるので、不動産売却の依頼先を別の不動産会社に変更することも視野に入れておきましょう。
不動産会社を選ぶ際の注意点
不動産会社を選ぶ際の注意点については、以下のようなものがあります。
(1)仲介手数料は不動産会社によって異なる
仲介手数料は、法律で決められており不動産の販売価格によってその上限が変わってきます。
決められているのはあくまで上限なので、その上限を超えない範囲で不動産会社が自由に設定できるため、不動産会社により仲介手数料は異なります。
自分が不動産の売却を依頼しようとしている不動産会社の仲介手数料はいくらなのか、事前に調べておくようにしましょう。
(2)不動産会社は複数の会社を比較して決める
不動産を売却する際にはまずその不動産を不動産会社に査定してもらう必要があるのですが、その際に複数の会社に査定を依頼してから不動産会社を決めることをおすすめします。
不動産会社によって査定額が異なるため、一社のみに査定を依頼した場合よりも高額で不動産を売却する可能性が高くなります。
また、複数の不動産会社の担当者と接する機会ができるため、その中から最も信頼がおけそうな担当者に不動産の売却を依頼することで、スムーズに不動産を売却することができるでしょう。
(3)専任媒介契約の提案しかしない会社には注意
信頼できる不動産会社を見つけたらその会社と媒介契約を結ぶことになるのですが、その際に一社の不動産会社にのみ仲介を依頼する「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」の契約に強くこだわる不動産会社には注意が必要です。
この二種類の契約を結んでしまうと、他の不動産会社に売却を依頼することができなくなってしまうため、よほど信頼がおける不動産会社でない場合にはこの二つの契約は結ばないようにしましょう。
おすすめの大手一括無料査定サイト
不動産の売却を考えた際には、まず一括無料査定サイトを利用してみることをおすすめします。
以下におすすめの大手一括査定サイトについて解説していきます。
(1)すまいValue
すまいValueは、大手不動産会社6社が直接運営する一括査定サイトで、査定依頼件数はサービススタート時から2020年7月時点までで40万件を突破しています。
安心感があると回答した割合が96.3%と、非常に高い満足度を誇っています。
大手六社の店舗数の合計が全国に900店舗以上もあるため、広い地域の不動産取引に対応することも可能です。
また、6社合計の成約件数は12万件以上を誇っており、非常に高い売却力がある一括査定サイトであると言えます。
(2)SUUMO売却査定
SUUMO売却査定は、同時に10社まで査定をしてもらうことが可能な一括査定サイトです。
駅や路線、エリアから売却に強い不動産会社を探すことができ、その店舗ごとに紹介ページがあるため店舗の売り上げ実績や特徴などを詳しく知ることができます。
また、細かいエリアごとの売却相場を簡単に確認することも可能です。
コンテンツも豊富で不動産売却の流れや段取り、ノウハウなどについて学ぶことができます。
売却したい不動産のエリアやマンションの名前から、予算や購入希望者の有無も確認することができます。
(3)REGuide
REGuideは、不動産一括査定サイトの老舗ともいえる存在で2006年から運営されています。
不動産の情報を入力する際にYahoo!の会員情報をそのまま引き継ぐことができるため、簡単に入力することができます。
不動産会社がREGuideに登録するためにはREGuide独自の審査を受ける必要があるため、優良な不動産業者を見つけやすいというメリットがあります。
また、地価の推移や同行、住宅地の地価平均ランキングも分かりやすく記載されているため、不動産売却時に参考にできます。
(4)マンションナビ
マンションナビは、マンションに特化した一括査定サイトでAIが査定を行うため売却価格の相場と査定価格の推移をすぐに知ることができます。
また、マンションの売却に強い2,500もの不動産会社と提携しているため、マンションの一括査定に関しては非常に強いサイトであると言えます。
さらにこの一括査定サイトで売買契約が成立した場合、最大で10万円分のプレゼントをもらうことができます。
(5)おうちダイレクト
おうちダイレクトは、ソニーグループとヤフーが共同で運営している都市部のマンション売却に強い不動産一括査定サイトです。
提携不動産会社が少ないというマイナス面もありますが、その多くが都市部のマンション売却を得意としている不動産会社であるため、都市部のマンションの売却をお考えの方にはおすすめの一括査定サイトです。
まとめ
ここまで、大手不動産会社を選ぶメリットやデメリット、注意点、おすすめの一括査定サイトなどについて解説してきました。
不動産会社は複数の会社の中からさまざまな注意点をもとに、慎重に選ぶ必要があります。
そのため、一括査定サイトを利用して不動産会社に査定を依頼し、その中から査定額や担当者の態度などを考慮して不動産会社を選ぶという流れで不動産売却を行うことをおすすめします。
※記事中の法律や税率などについては、2022年6月時点のものです。